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アタリ フードファイトを起動

今回はアタリのフードファイトを起動します。フードファイトがどの様なゲームか説明します
と、謎の少年を操り、襲ってくるコックさんめがけてそこら辺にあるフードを投げつけ、自分
はアイスを食う、と言う謎のゲーム。この基板は結構前に入手したのですが、今まで一度も起
動する事無くしまってありました。普通は基板を入手したらすぐに起動確認をするのですが、
たまたま入手時に起動テストをしなかったら、ずっとそのままになったと言うパターン。実のと
ころ今回も起動する予定はありませんでした。それが一転、起動させる事になったのは、別件で
2.54㎜ピッチのコネクタの短いのが必要になったのですが、それならば以前アタリ 720°をプレ
で基板折り曲げに使ったファミコンのコネクタが使えます。720°から部品取りする訳です。
部品取りした720°には、その後入手したジャストサイズのコネクタで作り直します。別の記事
アタリ ペーパーボーイをプレイで使用しているやつです。と言うか、これも「いつか作り直さ
なイカンなあ」と思っていた部分です。それでコネクタを作り直したのですが、720°基板の横
にフードファイトの基板が置いてあり「ついでにこっちも起動や!」となったのです。

さてフードファイトですが、このゲームではアナログレバー使用です。プレイ可能に持って行
く為にはこの部分を何とかする必要がありますが、今回はとりあえず動作確認が取れればいい
のでこの部分の配線は無し。ハーネスは電源、映像、音声のみで製作します。それで配線の確
認に掛かったのですが、図面を見ると電源部も掲載されています。電源部は以前UPしたアタリ
メジャーハボックを起動
で使われている物と同じ形式になっており、トランス部と安定化部
により構成されているタイプです。それで何となくトランス部の図面を見ると、主催者がメジ
ャーハボックで使っている物そのものです。モニター用と思われる出力が2つあって、出力端子
のピンアサインが同じです。しかも本来メジャーハボックで使われるモニター用の電源は50Vの
CT付きなのですが、こちらの図面では60VのCT付きになっています。あの時はモニター用電源
の電圧が高すぎてモニターを壊しましたが、これで納得しました。トランス部にも色々あると
言う事ですな。

なおフードファイトの基板の立ち上げでは60Vの電源は必要ありませんし、要求するのは5Vと
10.3V(12V)ですから、普通のJAMMA用スイッチング電源で起動します。それで製作したの
が下の写真。




さて、ついに立ち上げです。入手時に動作品と聞いてはいるのですがバカに安かったし、これ
ばかりは実際に起動確認をしないと分かりません。それで恐る恐る電源をONすると・・・。
OH!立ち上がった。ただし画面上部が流れています。いつもの31khz液晶にXRGB1でアップス
キャンして画像を映しているのですが、同期信号はあまり正確では無い様だ。2タイプある
XRGB1では両方ダメ。24khzが映るコンバーターもダメだった。しかし中華製のコンバーター
が使えました。下の写真はXRGB1ですが上部が流れています。24khzが映るコンバーターでは
全く画像になりませんでした。




それで「まあ映った事だし良かった良かった」と言う事でそのまま起動して放置。で、30分
ほど経過したころ、突然デモの音声が聞こえなくなりました。画面を見るとバグっています。




当初は「あらら。バグっているよ」と言う訳で電圧確認したりROMを押したりしますが、まる
で復旧しません。この手の古い基板はSRAMの故障が多いので他の基板から同じSRAMを持って
きて挿し替えますが変化無し。逆にフードファイトのを別の基板に挿すと普通に動作。SRAMは
OKと言う事か。だんだん焦り始めます。オシロなどと言うメンドクサイ物でチェックする気は
今のところありません。それで次の日、試しにCPUを替えて見ます。ソケット使用なのですぐ
に出来ます。CPUはセラミックパッケージの68000ですが、とりあえず普通のやつで試します。




それで起動すると・・・映った。画面はかなり流れているけど。ハテ?ナゼ流れるんだ?さっきま
で良かったのに。良く分からんが一旦フードファイトの電源を切ってアップスキャンを中華製から
XRGB1に戻してみます。それで再度起動すると、ナゼか?画面にNVRAM FAILEDと出てゲームの
デモになりません。一方画像の流れの方は、まだ上部が流れてはいますがだいぶマシになっていま
す。それならばと試しに同期信号にLM1881をかませてみたところ、更にマシになりました。(下の
写真左)。しかし画像がマシになってもNVRAM FAILEDから進まないのでは意味がありません。
NVRAMと言うのはハイスコア記録用の不揮発性メモリの様だが、今回の不具合の流れを考えると
CPU不良→ハイスコアメモリ不良な訳で、要はメジャーハボックの時の不具合と全く一緒です。
くは~イヤな感じ。それでNVRAMはどの部品だ?とソケット付きのICを確認しますが、その中に
は見当たりません。どうやら基板ジカ付けの下の写真右の部品がNVRAMの様です。




NVRAMは基板ジカ付けなのでメジャーハボックの時の様に引っこ抜いて起動する訳にも行きま
せんし、交換用も持っていません。そもそもNVRAMの不良かどうかも分かりません。もう本格的
に気が重い。修理などと言うクソな事は考えたくないので、もうその日の作業はやめて次の日に
持ち越します。それで次の日ですが、NVRAM FAILEDはアッサリクリア出来てしまいました。
NVRAM FAILEDが出たらPUSH1(フードを投げる)を押すだけでクリア出来るのでした。ハー
ネスの配線が映像と音声だけだったので気づきませんでした。さて、それから映像の方ですが、
XRGB1の4Pタイプでは画像の上部が流れるのですが、3Pタイプだと綺麗に映りました。下の写
真左が4Pタイプ、右が3Pタイプ(両方ともLM1881無し)です。CPU交換前と変わってしまった
訳ですが原因は不明です。




ゲームは一応起動する様になりましたが、もしかしたらJAMMA用スイッチング電源は使わない方
がいいのかも。かと言ってもアタリ純正電源はトランス部を一つしか持っていませんから、ゲーム
を起動させるたびにそれを持ってきてセットするのはかなり面倒。ここでアタリ純正電源の動作を
考えると、5Vはスイッチングではなくドロッパ式で、12V(10.3V)の方は非安定です。5Vと12V
が基板に加わるのはほぼ同時(僅かに12Vの方が早い)と思われますが、反面切れるのは12Vの方が
遅いと思われます。これは電解コンデンサの放電により、ゆっくりと12VがOFFになるためです。
そこで試しにハーネスのカードコネクタの12V入力部に電解コンデンサを付けて見ます。ちなみに
アタリオリジナル電源だと27000μFと言うバカでかいのが付いています。そんなでかい電解コンは
持っていませんし、もし持っていたとしても、そんなのを繋ぐとスイッチング電源が動作停止しそ
う。そこで小さめの電解コン(作例では4700μF)に電流制限抵抗を繋げた物を接続して見ます。全
く適当にやっているので、効果があるか分かりませんが。なおハーネスに追加加工するのなら、この
際全ての配線をやっときました。




その後ですが、今のところNVRAM FAILEDは出ていません。電源OFFからどの程度の時間12Vの
電圧を維持するのかテスターで当たったところ、0.2秒以下の様です。そこで同じ電解コンをもう
一つ追加して9400μFにしたところ、わずかに伸びて0.3秒ぐらいになった?様な気がします。う~
む、はたしてこれがいいのか悪いのか。ここでやっぱ気になって、10.3Vがどこに繋がっているの
かフードファイトの回路図をチェックして見ました。するとやはりウォッチドッグクリアとかNV
RAMに行っています。良く分からんが、10.3V入力の電圧が8.2V以上でウォッチドッグクリア、
8.2V以下でNVRAMの書き込みが行われると想像します。もしそうなら、電源投入時に27000μFの
電解コンの両端の電圧が8.2Vに達した時点で下に続くドロッパ電源の出力が完全に5Vになるので
ウォッチドッグクリアが掛かり(ドロッパ式の場合、入力と出力の電位差は通常2~3V必要な為)、
逆に電源OFF時には、27000μFの電解コンの両端の電圧が8.2V以下に低下した時点で5Vの電圧出力
が低下し始めるので、5Vが完全に消滅する前にNVRAMに書き込まれる、この様に考えました。こ
の場合、12Vの入力部に付けた電解コンが大きすぎてはダメと言う事になります。5Vの電源電圧が
消滅しても、まだ12Vの電圧が8.2V以上あった場合、NVRAMに書き込みはされないでしょう。なん
か微妙なタイミングで成り立っているのかな。こうなるとやはりオリジナルの電源がラクでいいの
かも。

まあ電源については今後も注意深く見守るとして、せっかく全ての配線を行ったのだから、ここで
ゲームをプレイしてみます。ゲームはアナログレバー使用です。アナログレバーは何種類か持って
いますが、ここはアタリのホールエフェクトレバーを繋いで見ます。接続コネクタをホールエフェ
クトレバーと揃えて製作したので、そのまま接続出来てすぐに実証出来ます。




早速プレイ開始。あれ?マイキャラがヘンな方向に行ってしまって、まるでプレイ出来ないぞ。や
っぱ無理だったか?とりあえずテストモードに入ってキャリブレーション調整らしきものをしてみ
ます。すると!見事にプレイ出来ますわ。しかも面白い。基本コックさんとの追いかけっこなので
すが、敵も自分も武器(フード)を投げあうのがポイント。しかも落とし穴もあって、敵も自分も
落っこちる。シンプル操作でこれは熱くなる。最初の方は簡単なので何も考えずとも、すぐにクリ
ア出来るのもポイント。なおアナログレバーの効果ですが、自身の移動速度は一定で特に変化は無
し。その代わり移動方向とフードを投げる方向が360°自由に行えます。それでゲームプレイは63900
点で終了してネーム登録になったのですが、これは若干やりにくい。ホールエフェクトレバーでは
微妙な方向指定が難しかった。まあレバーをパネルに固定せず、両足で支えてのプレイだからかも。
それで一旦電源を切り、翌日にONしたのですがスコアは記録されていない。クレジット等のデータ
もプレイ以前に戻っています。12V入力部の電解コンを2200~11600μFまで変えて再度確認しました
が変化無し。やはりそんなに簡単にはいかない様だ。ここでアタリ純正のドロッパ式安定化基板の
出力試験をして見ました。基板はRegulator Audio II。5Vの負荷に1.5Ωの抵抗を繋ぎ、入力部の印加
電圧を少しずつ下げていきます。すると印加電圧が7Vを割った時点で出力電圧が5Vを切り始め、印
加電圧が6Vを割ると出力は4Vに。8.2V→7Vだった訳ですが、だいたい想像通り。これで行くと、NV
RAMへの書き込み時は5Vはまだ完全に保っている?と言う事か。この微妙なタイミングをJAMMA
のスイッチング電源で行うなんて考えたくない。それで適当に12V入力部に付けた電解コンですが、
バックアップの役には立っていません。しかしNVRAM FAILEDが出ないと言う意味では役に立って
いるのかもしれません。なのでどうするか思案中です。なお下の写真がネーム登録の画面です。現状
では微妙な角度でレバーを固定するのが難しかった。スコアが上の記載と違いますが、画面撮影の為
に後日プレイしたものです。




さてアナログレバーですが、基板の方でここまでやったら、こっちもオリジナル品を整備する事にし
ます。オリジナルレバーも持ってはいるのですが基板と一緒にほったらかしでした。レバーの動きを
確かめると、例によって今一つ。良く見るとボリュームに繋がるリンケージパーツの片方は針金で補
強されています。これはボリュームのグリスが固着しかかったところにレバー操作をしたもんだから
リンケージパーツが破損、縛って補修した様です。なんかアタリのアナログ操作系は、ボリュームの
固着が原因の破損が多い。出来るなら国産ゲーム機に使われている、回転が超軽い遊技機用ボリュー
ムに交換したいところ。




こちらは専用リペアキットを買ってありましたので、これを使ってリペアします。リペアキットには
ボリュームも付いていましたので、こちらを使うか悩むところ。なおボリュームは本来AB(アーレン
・ブラッドレー)社の物が使われていますが、同メーカーはもうボリュームを生産していないらしく、
PEC(Precision Electronic Components)社製が付属していました。AB社は古くからある名門だった
のでこれは残念。しかしPEC社も端子が金メッキで産業/軍事用に使われているらしいので良さそうで
はあります。




早速レバーを分解します。まずボリュームを外すと、取り付け部分が割れてしまった。(下の写真左)
と言うか、これはボリュームの締め付けが元々きつく、すでに割れた状態だったっぽい。ちなみにもう
片方もクラックが入っています。割れていたのは残念だが、これは大した問題ではないね。ボリューム
を取り付けてしまえば実用上問題は無いし、折れたパーツが残っていればOK。次にシャフトの動きを
伝える可動パーツは問題無し。後は最大の懸念、ベローズ(下の写真右)。これがボロボロだときつい
が、幸いにも割と良い状態だった。これはクリーニング後にアーマオールで養生すれば良くなりそう。




更に分解します。ベローズの下には、シャフトの軸受けが出てきました。やっぱこう言う構造か。アタ
リのレバーはシャフトの中央に軸受けとなる玉がスプリングピンで留められており、これを抜くのがい
つも大変。今回のレバーは通常よりでかいピンが使われているのでかなり苦労しそう。抜き方はレバー
シャフトを台の上に置いてピン抜きを当て、ハンマーでガンガン叩く。で、やって見ましたが、まるで
ビクともしない。ヘタすれば手が滑ってレバー本体にハンマーを当ててぶっ壊しそう。そこで思い付き
ました。前作った油圧プレス(板金折り曲げ機)があるやろ。早速そこら辺にあったネジと座金を組み
合わせてT型のピン押しを作り、油圧プレスにセットしてキコキコやります。するとしずか~に抜けた。
やはり道具の威力は凄い。道具が無いのを創意工夫で何とかするのは邪道だとハッキリ悟った。




下の写真が分解したフードファイトレバーの全パーツ。思っていたより状態はいい方だと思う。




ここでオリジナルパーツとリプロパーツを比べてみます。まずオリジナルのシャフトは全体が黒塗装だっ
た様だ。擦れた部分だけが銀色になっていて擦れない部分は黒が残っています。材質もオリジナルはアル
ミだがリプロはスチール。それからシャフトを貫通するボールはオリジナルは半透明の白。リプロは黒。
あとリンケージパーツはオリジナルはプラだが、リプロはアルミ合金。ふむ、黒染めなので一見プラかと
思っていた。ボリューム軸の固着→破損を考えるとこちらの方がいいね。しかし今度はリンケージパーツ
を動かす可動パーツのロッドの方が折れるかも。




各パーツを洗浄して、その後折れたパーツを接着します。接着剤は8時間硬化型のエポキシ。もう片方の
折れていない方もクラックが入っているので同様に接着します。なお接着しただけではボリュームのネジ
留め時の応力でまた脱落しそうですから、厚さ0.2㎜のステンレスシート(粘着剤付き)で裏から補強し
ておきます。




パーツの整備が終わりましたので、いよいよ組み立てです。ベローズはアーマオールを塗っておいたの
で弾力性が幾分か良くなっています。なおベローズはセンター穴が僅かに偏芯しています。これは新品
でもない限り仕方がありません。




いよいよシャフトにスプリングピンを打ち込みます。しかしこれがバカに緩い。打ち込んだ後、ペンチ
で引き抜ける程度。あまり固いのは困るが、ちと柔らかすぎる。なのでスプリングピンをマイナスドラ
イバーでこじて外形を少し広げ、程良い硬さにして再度打ち込みます。後は可動部にシリコングリスを
塗布、どんどん組み立てます。




ボリュームは悩みましたがPEC社を採用。ボリュームの取り付けにはワッシャ2枚でレバーのハウジング
を挟み込む構造にします。これならばそうそう割れる事は無いでしょう。ボリュームの接続はファストン
端子、末端はホールエフェクトレバーのコネクタと合わせます。これでフードファイト用アナログレバー
のレストアが完了しました。組み立て完了したレバーを改めて見ると、シャフトが傾いています。ベロー
ズのセンターが偏芯していますからシャフトの直立性が悪く、傾いているのです。それでそのままの状態
で下部のベローズを回転させますが大して変わらず。更に手でシャフトを動かすと直立する(した様に見
える)のでこれはこんな物なのだろう。それで次にレバー単体状態で手に持って方向入力をしてみます。
むっ、重い。目いっぱい方向入力するのがきつい。




そりゃセンター復帰がゴムのグロメット(ベローズ)だから重いだろうな、とは思っていたんだけど。
と言うか本来はもっと軽い物だった、とも考えられます。ベローズは波打ったヘラヘラのゴムですから
感覚的にはもう少し柔軟性がありそうなものです。これは定期的にアーマオールを塗布してどこまで弾
力性が回復するか経過を見よう。時間を置いて数回に分けて塗布し、3ヶ月~半年経つと更に改善する可
能性があります。とりあえず動作確認を行う為このままゲームをプレイします。ゲームを起動すると、
例によってマイキャラがヘンな方向に走り去って行きます。なのでテストモードでキャリブレーション
調整を行います。それで改めてゲームをプレイ。OH!軽快な操作感・・では無くやはりレバーが重くて
操作がきつい。つーかレバーの可動部が側面にありますから、ホールエフェクトレバーの時の様に足で
支えてのプレイとか無理。なので両手両足で支えて余った指でレバー操作。当然攻撃は出来ず逃げ回る
だけになります。




アカン。何でもいいからパネルに付けんとゲームにならん。そこで今回は簡易パネルを作ります。簡易
パネルは鉄で四角い枠組みを作り、その上にパネルを載せる構造。枠組みは共通で上のパネルを色々乗
せ換えるのです。アタリのレバーはパネル下が長いので、コントローラーのボックスの背が高くなって
かさばります。それならばコントローラーを上部パネルと下部フレームの分離構造にして、他のレバー
使用時には上部パネルのみ載せ替えて使用出来る様にしようと思った訳です。下の写真が製作した簡易
パネル。枠組みのサイズは380㎜×200㎜×130㎜ほど。コイン、スタート、テスト、サービスのスイッチ
は共通で行ける部分なので枠組みの方に取り付けています。パネル表面の仕上げはどうしようか悩みま
したが、今回はオリジナルのデザインをパソコンで加工して印刷した物をセット、その上から塩ビ製の
保護シートを重ねる事にしました。まあ、ハッキリ言って手抜きです。




簡易コントローラーは完成しました。本体が枠組みだけなので、セットしたままメンテや調整ができま
す。それでは早速プレイ。例によってまずはキャリブレーション調整から。その時気付いたのですが、
マイキャラの移動はレバーを思いきり傾けた時に有効になる様です。つまりやや傾けた状態では移動は
せず、フードを投げる方向のみの指定になります。ただレバーが重いですし、無茶をするとベローズを
痛めそうですから、2/3ぐらいの位置でキャリブレーション調整は行っておきます。それで実際のプレイ
ですが、パネルが安定しているのでメチャやり易い。コックさんにポンポン当てられます。マイキャラ
の最初の2人は調整でムダ死。あとの2人(1UP含む)は適当にプレイしたにも関わらず、81900点まで
行って前の記録を抜きました。その後のネーム登録ですが、前にホールエフェクトレバーでは角度の固
定が難しい、と書きましたがこっちのレバーでも大差ありませんでした。ただレバーを正確に位置決め
しておく必要は無く、一度通ったイニシャルは赤くなっているので、その時決定すればいいのでした。




ゲームは無事プレイ出来る様になりました。最後に気になっていたNVRAM登録を実験してみます。
メジャーハボックから電源を拝借、フードファイトを起動するのです。それでプレイの後、一旦電源を
OFFして再度ON。すると・・・。覚えてるやん。(下の写真で129400点)。やっぱオリジナル電源だ
と一発で決まるなあ。こちらも近々オリジナル電源を用意して、それでのみ起動させる方向で行こう。




■






■


■ 純正アナログレバー用代替ベローズの製作

純正アナログレバーをメンテしてから3週間ほど経ちました。その後フードファイトですが、一度も
プレイしておりません。理由はやはりベローズの状態。まだ硬く、もう少し様子を見た方が良さそう
と判断しました。それに電源もオリジナルの環境が整うまでは基板の起動は避けた方が良さそうと言
うのもあります。それでベローズですが、ここで一旦レバーから外して硬さを確認して見ました。す
ると以前チェックした時より柔軟性が増しています。硬さ的にはあともう少しで良くなりそうな感じ
です。しかし・・・。ここでベローズの中心部分(レバーシャフトが通る部分)をよく見ると、細か
い亀裂が多数あるのを発見。これは先のリペア時から分かってはいたのですが、改めて見ると結構多
いです。これは本来ならレバー入力時のシャフトの傾きはベローズ全体で受けるのですが、ゴムが硬
くなっていた為、シャフト根元の部分にのみ応力が掛かり続けたのが原因と思われます。この手のゴ
ムの補修には瞬間接着剤が有効と思われますが、まだアーマオールで養生中です。これではプレイが
可能になるのはまだまだ先になってしまいます。そこで物は試しにベローズの自作をしてみました。

ベローズを自作するとなると、まずは使えそうなパーツの流用を考えますが、もしその様なパーツが
あったとしても硬さとかしっかり固定出来るのかは実際試すまで分かりません。そこでまずは手持ち
の部材から製作できないか考えます。それでチョイスしたのが下の写真左。パイプとか太いケーブル
の末端に挿すエンドキャップ。いくつかサイズがありますが、今回は一番太い物を使用。このままで
は当然ベローズとしての使用は出来ませんから加工します。まずはエンドキャップをやや太いガラス
瓶の底に無理やり挿します。刺さったらすぐに抜いて、更にもう一つ太い瓶に何とか挿します。それ
が刺さったら今度は更に大きいゴムのグロメットを嵌めます(下の写真右)。この状態で数日間放置
します。




ここまで来たら、次にゴムキャップの頭に丁度いいサイズの水道管用のキャップを嵌めます。そして
伸ばした部分はベローズの外形サイズの水道管パイプに挿してギュッと押さえます。この状態でまた
数日間放置します。




ゴムキャップが簡単には戻らなくなった(曲げ癖がついた)らベローズは完成です。中心にシャフトが
通る穴を開けます。更に先ほどの外形サイズの水道管を薄くリング状に切り出します。製作したベロー
ズにセットしてレバーから抜けないように固定するパーツです。




早速レバーにセットします。製作に当たって試行錯誤などしておりません。適当に一発製作しているだ
けなので使えるかどうかは不明です。それでセットすると・・・。まず代替ベローズのレバーへの固定
は上手く出来ました。それで次にレバー操作すると、センター復帰力が弱く軟らかすぎる感じ。なので
レバーシャフトの方に電気工事に使う圧着端子用の保護キャップを嵌めてややきつくします(下の写真
中)。すると今度はいい感じに。なんかこうレバーをブルンブルン回して遊べる感じ。センター復帰力
はまだ若干弱めな感じだが、プレイに支障は無いだろう。




レバーを元通り組み立てます。実はこのベローズが今一だったら、スプリング式のセンター復帰も考え
ていたのですが、思ったより上手く行ったのでもうこれでいいや。





■ オリジナル電源の準備

さて次はオリジナル電源の準備に入ります。電源はトランス部と安定化部による構成ですが、まずトラ
ンス部を入手する必要があります。しかし最近はトランス部も玉数が減りつつあるようで、中々良さそ
うなのがありません。そこで考えました。「今一なやつしか無いのだったら、この際一番安いやつを買
うたれ」。それで入手したのが下の写真。いや~安っすいだけあってボロいですわ~。電解コンデンサ
とヒューズが無いのは分かっていたのですが、ダイオードブリッジも無い上にトランスの出力配線まで
切断されているとは。まあ電解コンデンサは劣化するパーツですから新規で付けた方が信頼出来ます。
なので無くてもOKと言う判断です。しかし電源トランスまで死んでいると話は別、まさに無駄な買い
物になってしまいます。ただこの手の電源トランスはそう簡単に断線しないはずですから、まずはトラ
ンスの出力確認をしてみよう。




電源ケーブルを接続、一瞬だけ電源をONします。とりあえず異常は無い様です。その次は数秒間電源を
ONして見ましたが特に異常はありません。ふむ、行けるかな。それで次は電源ONの後、切断されている
配線にテスターを当てて出力電圧を測ってみます。すると正常に出力されています。なぜ配線が切断され
ていたのかは不明ですが、トランスは無事な様です。なので配線の修理に入ります。修理はトランスに巻
かれているショートリングの半田を外し、配線部分のカバーを切り開きます。そして新しいリード線で配
線を引き出した後、元通りにします。

※なお、本来ならこの手の導通試験は、スライドトランス→サーキットプロテクター→トランス、と繋ぎ
出来るのならば絶縁抵抗計(メガー)で確認した後、スライドトランスで少しづつ電圧を上げてチェック
するのが最善です。場合によっては発火、停電の可能性もありますので参考にされる方は自己責任でお願
いします。




トランスの修理が済んだら次はシャーシー。パーツを全て外して洗浄します。そしてサビ、汚れを除去し
て磨いた後、塗装します。下の写真中は準備した欠品パーツ。ヒューズホルダーとダイオードブリッジは
手持ち品、コンデンサは新たに発注したもの。単価で言うとトランス部本体よりもコンデンサの方が高価
だった。コンデンサはスリム型だったので、サブ取り付け板を製作して取り付けています。




下の写真は配線が終わったトランス部。配線はフードファイトの図面を見て作りましたが、トランス部の
図面を他のゲーム、ペーパーボーイと比べたところ全く同じでした。どうやらアタリのシステムⅠとシス
テムⅡも同じトランス部を使うらしい。ただこちらは続く安定化基板は異なるのですが。さて、トランス
部が完成したところで改めて出力電圧を測ってみました。入力電圧設定は120Vになっています。すると本
来60Vの出力電圧の部分が52V、36Vの部分が31Vと、概ね8割の出力です。ふむ、メジャーハボックで導入
した電源と同じ出力です。ただ入手時に残っていた配線の一部はフードファイトの図面とは違っていまし
たから、本来は別のシステム用だったのかも。さてトランス部の修理は出来ましたが接続ハーネスはまだ
ありません。そこでこの電源でメジャーハボックを起動してみました。結果は無事起動、それで暫くプレ
イしていましたが普通に動作。何とか物になった様です。よかったよかった。




トランス部の次は安定化部です。これは以前入手した安定化基板が使えるのですが、これは左右に長い為、
置き場に困ります。そこで調べたところヒートシンクの横が片翼しか無い小型のタイプを見つけましたので
それを入手しました。これなら横幅がトランス部とほぼ同じ?と思われますので、トランス部と一体化した
電源にまとめる事が出来、収まりがいいと思ったのです。以前入手した両翼タイプの安定化基板は、写真の
右の部分に+-の22Vとか安定化した12V、-5Vの出力があるのですが、フードファイトでは未使用です。




それで早速この安定化基板をトランス部に接続、出力を見てみたのですが・・・。5Vの電圧が6.68Vあり、
電圧調整ボリュームを回しても変化がありません。ム!壊れているのか?それでこの基板の不具合の定番と
言える、抵抗の焼けをチェックしますがその様な部分は無いし、抵抗値も全て正常です。ではトランジスタ
の不具合か?と思いましたが、高めとは言え一応低圧化しているのでトランジスタは問題無い様な気がしま
すし、熱くなってもいません。そこで次にボリュームの出力部での電圧変化を確認しますが、きちんと変化
しています。では次に電源ICのコントロール電圧出力を見たところ、こちらは変化しません。そこで試しに
電源ICを交換して見ます。すると見事に改善!正常電圧にセット出来ました。お~よかったよかった!と言
う訳で、ついでに併設されている音声アンプ部もチェックします。すると動作してません・・・。チェック
と言いましても出力端子にスピーカーを繋げ、入力部にテストリードを当てただけなのですが、それでも普
通なら聞こえるはずのセットノイズが聞こえないのです。はぁ~こっちもか・・・。このアンプはアンプIC
からほぼジカにスピーカーに繋がっていますので、故障はIC自体の不具合の可能性が高いと思われます。
アンプICの手持ちは無いので、今から手配、届いたら交換する事にします。




さて次はトランス部と安定化部を一つにまとめます。丁度いいサイズのベニヤ板の端材がありましたので、
まず安定化基板をセット、スペーサーを立ててトランス部を上部にセットします。うむ、寸法的にはピッタ
リだ。ちなみに電源スイッチは無し。大元のテーブルタップで入/切します。配置が決まったので配線に掛
かります。電源出力は日圧VLコネクタにしました。主催者の場合、電源装置からの出力はJAMMAとかJVS
にかかわらず、全てVLコネクタに統一してあるのでそれに合わせました。電源→VLコネクタ→56Pエッジ
コネクタになっている訳です。状況に応じて電源の差し替えがすぐに出来るので便利です。それで配線完了
後、この電源をJAMMAハーネスにセットしてJAMMAエッジコネクタからきちんと電圧が出ているのを確
認、たまたま傍にあったコナミのゴルフィンググレイツを起動してみました。しかし・・・。どうも立ち上
がりが悪い。いや、結果的には立ち上がったのですが、何かヘン。それで基板を接続した状態でJAMMAエ
ッジコネクタの電圧を測って見たところ異様に低い。4.3Vぐらいしか無い。おかしいぞ基板接続前の測定で
は5Vあったし、そこまで電圧が落ちるほどゴルフィンググレイツの消費電流が多いワケ無いのだが・・・。
それで電圧調整ボリュームを最大にしますが、4.53Vにしかなりません。アカン。ここで今一度チェックの
為に安定化基板を台座から外します。で、その時ですが何か熱い物に触れました。熱いのは下の写真中の大
きな抵抗です。パワートランジスタに繋がるやつです。うう~むパワートランジスタが劣化しているのか?
それでパワートランジスタを交換したところ正常になり、抵抗は熱くならないし、出力電流も取れる様にな
りました。下の写真右は交換後ゴルフィンググレイツを起動中ですが余裕で5V出てます。つーかこの安定化
基板はどんだけ壊れているんだ。通電中に金属板の上とかに置いて、まとめてショートさせた様な壊れ方だ
なあ。




電源部が直った次の日にアンプICが届きました。早速交換したところこれもアッサリ直った(と思う)。
と言うのも音声出力の確認はまだしていないのですが、入力端子に触れたところブーンと言うセットノイ
ズが聞こえる様になったからです。下の写真左が修理が完了した安定化基板と交換した部品。半導体ばか
りが死亡しています。写真右はトランス部のヒューズカバーとシール。これらは無くてもいいのですが、
とりあえず付けておきました。ヒューズカバーは自作、シールは剥がした物の再利用です。




さて、ここで最後の作業、音声ボリュームの配線を行います。ボリュームは普通のを2個付ける方法と2連
タイプを一つで済ます方法があります。フードファイトやメジャーハボックの様に、アンプを2ch使って
モノラル出力(BTL出力)の場合は、2連タイプが操作がラクなので採用しました。配線が完了したら、
安定化基板の上にトランス部をセットして電源が完成です。早速フードファイトを起動したところ問題無
く動作、音声も正常に出力されました。これでフードファイトが安心してプレイ出来ます。なおアナログ
レバーの修理と電源の準備に掛かった期間は3週間ほどでした。




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